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今日も息をしています

ブラック・レイン

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この映画にはある俳優の命を賭した言霊が宿っているのかもしれない。
 
1989年に公開された映画「ブラック・レイン」は映画公開前から超話題作のふれこみでした。
 
映画の多くのロケを関西、特に大阪と兵庫でしていたのでその部分でも凄い話題を呼んだ。
 
神戸の兵庫か神戸駅付近あたりの港が出てくるシーンや大阪キタの阪急百貨店前の欧風なメーンストリートをサイバーパンクな雰囲気とともに撮影した監督リドリー・スコット、撮影監督ヤン・デ・ボンの手腕には賛辞の意を贈りたかった。
 
俺たちの住んでいる関西、大阪や兵庫の街をこんなに優雅にかつ、怪しげに魅せきった映画はおそらく映画史上で初めてだと記憶する。
 
そのくらいこの撮影チームの撮影はお見事でした。
 
話の筋は単純でNYの間抜け刑事が犯人護送中に罠にはめられて犯人を取り逃がし、その犯人が日本国籍の男だったために間抜け刑事の日本でのドタバタ劇を繰り広げるだけの話なんだけれど、犯人役のキャラクターが立ちすぎて極上のエンタメ映画となり、より話題になった。
 
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この映画における松田優作の演技は鬼気迫るものがある。
 
それこそ大友克洋の描く漫画のキャラクターそのもので物凄い圧力と迫力を当時、劇場のスクリーンで感じた。
 
この人の俺の中での一番印象に残っている姿がTVのワイドショーの番組で映画「コットンクラブ」の試写会場で吐き捨てるように言った言葉「コッポラはもう終わったよあれは駄目だ」と言い切った。事実俺個人もあの映画で映像芸術家コッポーラは終わったと感じたし、「地獄の黙示録」以上のテンション高い映画は彼氏は作れていないし今後も無理だろう。
 
そう言い切れる日本の役者って当時(1980年代初頭)、皆無でこの人だけ「コットンクラブ」を全否定していた。
 
リドリー・スコットとどこまで信頼関係は結べたかわからないけれど、この映画はマイケル・ダグラスでも高倉健でもなく間違いなく松田優作主演の映画であり、彼氏の代表作ともいえる金字塔の様な映画であるといえる。
 
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映画のスクリーンの中で全力で演じ命を削り執念を見せた俳優の生き様を見せつけられた強烈な映画でこういう映像に今後お目にかかれるかどうか?今の処俺の中では難しい。
 
老年になってからの演技も観たかったのは多くの映画ファンの思いでもあろう。