気ままに気楽に

今日も息をしています

不意打ち


皆さんは不意打ちをされてドキッとした経験はないだろうか?

それは意識的に相手がしない場合、例えば内開きの扉が勝手に空く(向こうに人が居ることを想像できない奴がよくする)などして怪我しそうになったりとかさまざまであるが悪意を持って不意打ちをかますとなるとこれは悪魔的所業であり大変、始末に悪い。

イメージ 1


この映画は若い頃にTVで観た記憶があって非常に胸糞悪い読後感ではなく試聴後の感触であった。

1964年に発表されたこの映画は当時の米国の世相を一部うかがい知れる内容かもしれない。

主人公の大富豪の中年女性は腰を痛めて動けない設定だが俺の観た感じでは身体障碍者である。

身体障碍者にとってなにより大切なのは補助者の存在であるのだがその役割の息子は数日間バカンスに出かける。

もう物語でこの時点からヤバイ雰囲気満載なのだが、中年女性は1階から2階への昇り下りに、大きな籠状のエレベーターで移動している。

ある時、その豪邸に送電している電線にカラスだか何だかがトランスか?送電線にぶち当たり停電がその家だけ起きてしまう。

タイミング悪いことにそのエレベーターで女性が1階から2階に上がる途中で停電したので哀れ、女性は籠の中の鳥のごとく宙ぶらりんに状態でまさに籠の鳥状態になる。

イメージ 2

助けを求めても誰も気づかない、そして送電はすでに止まっている、真夏の設定であったと記憶しますけど地獄である。

原題はLady in a Cageと言いましてまさにその状態なのである。

絶望の淵に嘆く女性に追い打ちがかかる。

高級住宅街なんでしょうが何故か?流れ者はぐれもの集団が強盗にこの豪邸に入るのだ。

イメージ 3


ストッキングをかぶったこの若い男女の連中はただ強盗と言うだけでなく、この滑稽な状態を楽しむ。こういう輩をなんというのでしょうか?ネグレストか?

中年夫人が助けを求めても応じるわけでもなく言葉攻め(妙に説得力がある)したり、自分達がなんでこんな恵まれない境遇なのにこの贅沢ぶりはなんだ!的な、個人が足掻いてもどうにもならない社会状況をぶちまけるホワイトトラッシュのようである。

イメージ 4

この映画でその輩連中の中心人物を演じたのがジェームズ・カーンでこの映画の名演?が評価されたかどうかはわからないが後のコッポラの映画「ゴッドファーザー」のソニー役に通じる無軌道、無鉄砲ぶり、アンファンテリブルな怖さを見せつける。

果たして籠の中の鳥とかした女性は助かるのか?強盗に入った輩どもはどうなったのか?この映画もアメリカンニューシネマの萌芽となったと俺は見ています。



観るとトラウマになりそうな映画なので気合を入れて覚悟して観て頂きたいエグイ映画である。