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今日も息をしています

サブウェイ

リュック・ベッソンという映画監督は一般的には『グレート・ブルー』で世界的名声と特に日本で人気の出た映像作家であると思います。
 
しかし1984年発表のこの『サブウェイ』もナカナカの映画でして侮れない面白さがあります。
ただ『グレート・ブルー』の様な感動物語ではありません。
 
1970年代後半から1980年代初頭にかけて英国なんかでも不況に陥り、ロンドンなんかでもスクオッターっていういわゆる不法占拠して勝手に空き家に忍び込んで集団生活をして居座る若いヤバイ連中が多数発生していたといわれます。
 
それはひとえに構造的な不況が招いた貧困と失業率の高さの為に働き口の無い若者が多数いたからで社会的な大問題になっていました。
 
今の日本もそんな状況ですけどソコは農耕民族で元々がおとなしい性質の人間が多い民族性かもしれないし、ソコまで行動に移せない部分もあるかもしれませんが京都の某駅で生活してる家族の話は昔聞いた事があります。
 
ちょっとこの映画の登場人物なんかもソレに似通った部分はあるかもしれません。
ただ妙に不法占拠者の割には余裕があるというかそこがフランスっぽいというのか。
要は地下鉄駅構内で住んでいる人達がバンドを組んでいて、そのなかに一人犯罪者が逃げ込んで迷い込んでしまうって話なんだけど何だか途中からグイグイ引き込まれる面白さがあります。
 
それはイザベル・アジャーニのキュートな美しさとジャン・レノの落ち着き払った視線というか貫禄やクリストフ・ランベールのアホ顔に自分を投影するからかもしれません(笑)
 
1980年代は洋画も邦画も昔の映画比べるとスケールダウンはしますけどいっぱい人間ドラマを扱った佳作が多い時代ですがコレもその中の1本だと思いますね ♪