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今日も息をしています

デッドマン・ウォーキング

 
映画『デッドマン・ウォーキング』は1996年に公開された個人的にはバブルで浮かれていた米映画の中でも1970年代テイストのなんというか寂寥感というか喪失感のある味わい深い映画でした。
 
この映画は非常に重いです。気分のすぐれない時にはあまり観ない方が良いのかもしれません。
 
ただこの映画は我が国の不自然な死刑制度に対してクエスチョンのある方には大いに参考になる映画だとは思うのです。
 
全米では全ての州ではないかもしれませんが、死刑囚に対して被害者の肉親が今まさに死刑を執行される瞬間までの死刑囚を間近で様子を見せるわけなんです。
 
つまり被害者の肉親がその憎き殺人犯のほぼ最期を見届けれるわけなんです。
 
そういった事で被害者の心情は晴れるわけではありませんけど、少なくともこの映画の場合殺人犯も自分達と同じ人間で何も生まれつき極悪人で悪魔の様な奴ではないという事が分かったりするのです。
 
しかしながらソレはよりつらいものでじゃ何故に私の娘、息子を手にかけなきゃいけないの?って悲しみにもくれますが、結構キツイしもちろん肉親は見なくてもいいわけなんでしょう。
 
ただこの映画を劇場で観た私はというとありきたりですが、戦争で戦勝国になって敵国の人間を何万人も殺傷した軍人が英雄扱いされて、人を一人純粋殺人した殺人犯が極悪人呼ばわりされる矛盾。。。。。
 
私のあほうな脳みそでも生きるってことは?人間の尊厳とは?死刑ってどういう事なの?法で人を裁くとは?って色々考えさせられた映画でした。
 
この映画で死刑囚の弁護士役を演じたS・サランドンはアカデミー主演女優賞に輝き、死刑囚役のS・ペンはベルリン映画祭男優賞に輝きました。
 
両名とも抑制の効いた素晴らしい重厚な演技をしています。
 
私はサントラの類はほとんど買いませんがこの映画は買いました。サントラも素晴らしい出来栄えでまた記事で紹介したいと思ってます。
 
B・スプリングスティーンがメインタイトルソングを担当していますがおそらく俳優にして天才監督T・ロビンスとS・ペン、分かってる女優S・サランドンがアルバム『ネブラスカ』の世界観をブルースにこの映画のタイトル曲に託したのだと個人的には思う1990年代の名画だと思います。
 
では素晴らしいボスの歌唱をどうぞお聴き下さい。。。。。。