気ままに気楽に

今日も息をしています

スモーク

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1995年に公開された米国映画でありますが色んな意味で個人的には90年代の傑作と見ています。
 
2011年現在、米国はもとより我が国でも喫煙に関しての規制が厳しくなっており愛煙家は肩身の狭い思いをしているようだ。
 
自分の場合、もともと気管が弱いうえ本数を吸う方ではなかったので禁煙して4年になりますがもう二度と喫煙はしたいとは思わない。
 
鼻炎や喘息の苦しさを考えたらばい煙を吸ってるし、自分はまだいいがアレは実は副流煙が一番、害毒ですってる本人より周りのすわない人間に害毒を及ぼす恐れがあり特に気管の弱い人や子供には悪影響でしかない。
 
とは言え、意思が弱いとかグータラであるとか時代遅れだとか言われがちな愛煙家を責めるわけにもいかない。
 
彼らは吸う事によって心や精神の安定を得る処もあり、優れた文学や芸術はコレとともに歩んできた歴史があるからアルコールとともに欠かせない人類史の文化の遺産ではあるとは思う。
 
ただ俺からすれば、俺自身も吸っていた時にマナーには気をつけていて、禁煙者の前では一言断って相対したときには吸っていたし、その人がせきこめば吸わないようにしていました。
 
クルマの窓からポイ捨てやマナーの悪い喫煙をしなければ愛煙者はタバコをガンガン吸って俺はいいと思う。
 
国が値上げしまくって一箱1万円になっても吸う位の気概を見せればいいのである。
 
マナーさえしっかりしていればそういう人間は尊敬に値するかもしれない?
 
前置きは長くなりましたがこの映画はNY、ブルックリンにある煙草屋のおっさんの話ただソレだけである。
 
俺の周りの中で一時期ハーヴェイ・カイテル祭りみたいな感じで彼がブーム(日本でも少しなったか?)の時代のコレは佳作でして市井のさえないタバコ屋のおっさんの周りで起きる平凡な生活が突然波乱に巻き込まれる様子を切り取った映画で、この映画の主役タバコ屋の店主、オーギー(ハーヴェイ・カイテル)なんてさえないおっさんで正直、なんの取り柄もなさそうなおっさんであるが、意外にこういう人間の周りには個性的な人間が集まるのである。
 
馴染客で作家のポール(ウィリアム・ハート)は才能がある筈なんだが不慮の事故で、出産間もない妻を失って以来スランプでペンを持てないでいる。
 
そこでいつもどおりオーギーの店に寄った帰りに事故にあいそうになり黒人少年ラシードに助けられる。
 
数日後、ラシードがポールの家に来て彼を2,3日泊めるのだがどうも??ラシードが語る自分は偽りの姿らしくかなりワケありの少年の様だ??
 
一方、オーギーの店には18年前に別れた元恋人のルビー(ストッカード・チャーニング)が現れるのだが、、、、
 
当時現代アメリカ文学を代表する作家と言われたポール・オースターがこの作品が処女作?かどうか知らないけれど新進気鋭の映像作家、ウェイン・ワンのために書き下ろしたといわれる作品でこの監督の非凡なセンスもうかがえる内容です。
 
脇を固めるフォレスト・ウィティカーアシュレイ・ジャッド等の好演も光ります。
 
BGMには「煙が目にしみる」のカヴァーやトム・ウェイツの「ダウンタウン・トレイン」なんかがかかったりして雰囲気もGoodな映画であり、ミニシアターで当時かなりHITした筈である。
 
俺が最近の映画を知らないだけかもしれないけど、こういう市井の人々を取り上げた大人のクリスマス・ソングの様な心優しい映画はここ数年、洋画でも邦画でも残念ながらほとんど体感出来ないのは残念で仕方ない処ではある。