やせっぽちのBoogie(仮題) 第6回
キヨモジ(イメージ画像)
オヤジ(イメージ画像)
バケーション(イメージ画像)
第1回http://blogs.yahoo.co.jp/thewhosnext7/30077361.html
第2回http://blogs.yahoo.co.jp/thewhosnext7/30104900.html
第3回http://blogs.yahoo.co.jp/thewhosnext7/30119251.html
第4回http://blogs.yahoo.co.jp/thewhosnext7/30139314.html
第5回http://blogs.yahoo.co.jp/thewhosnext7/30161054.html
第5回までのあらすじ:東京で大きなヤマを調査していたシドは、雇い主BLUEに呼ばれて神戸に着く。
そこで昔馴染みだった中古レコード店の店主、気ままにと旧交を温め又地元のバンドマン、映画関係者の人間模様と若干の時代の移り変わりを体感する。
SGT達は神戸でも指折りのガールズバンドだったが、気ままにの尽力により新生バンドとして生まれ変わろうとしている。
その一連の様子をちゃーりーは眺めていた。
画家、ともきちは落ち込んでいるが、EJの誘いによりBARで飲もうとしている。
全ての登場人物が今回集うBARがタートルズなのだ。
第6回、BARタートルズにて
タートルズの雇われマスター、キヨモジはグレイトフル・デッドが大好きだ。
店では1日一回は必ずデッドをかける。
デッドの曲に合わせてBASSを弾くのが日課みたいなもんだ。
店は19時OPENなんだが、18時には開店準備で店は開放している。
この男の悪い癖でもあるのだが、一見さんでやかましい学生連中の集団とか、自分の感覚で店に似つかわしくない連中が来店した時は、ビール1杯2000円ですよとかぼったぐりBARを装い無理やりに追い返すのである。
OPEN前に既に常連のオヤジがカウンターで飲んでいる。
「マスター、今日貸切って札を貼ってるけどさ大集会でもあるの?」
「貸切って訳じゃないんだけど今日は気ままにさんの仲間やシド、BLUE、ポニーなんかが来るから一見は入っても邪魔なだけなんだよね」
さっきもセイガクのおのぼりさんの5人組を追い返したばかりだ。
「おお~それならいい絵が撮れそうやね」
オヤジは本職は報道カメラマンであるがそれでは食えないのでアイドルのグラビアやバンドの生演奏写真をサブカル系や音楽雑誌に売り込んだりして、生計を立てている。
キヨモジも写真はプロ並の腕前なのでよくこの男と写真の話で盛り上がるのだ。
「初めまして~」
ブッダが挨拶をする。
「ウチの常連さんなんよ、どんな店か興味津津なんで連れて来たよ」
気ままにが早くもやって来た。
「毎度~」「宜しく哀愁~」「わんばんこ~」「愛し合ってるかーイ!」「久しぶり~」
シド、SGT、KT、コシ師匠、ましん、BLUE、KING、EJ、ともきち、ポニー、ひこ、ポニー社の社員数名、ちゃーり等続々と新顔と常連が顔を出す。
バケーションはスナック・ルービの経営者であり、普段はほとんど店に顔をださずフィービー・ケイツ似の直美ちゃんに店は任せて今日は久々にタートルズに飲みに来ていた。
「バケーションさん、今日は直美ちゃん来ないの?」
「そうね時間がもう少し深くなればくるかもね」
気ままには直美ちゃんに一目ぼれしており、いつかはデートでもしたいと思っているのだが、なかなか思うようにいかないというか二人のスケジュールが合わないのだ。
「それじゃ、皆さん集まった処で簡単に今宵の宴の挨拶をしますね~」
「ひこの世界戦の必勝とSGTの新バンドの前祝い、そして久しぶりに我が町に還って来た英雄シドの凱旋を祝ってカンパーイ!!」
気ままにの号令の元に皆が乾杯の音頭を上げる!!
その様子を観てブッダは天にも昇る様な心持でもあった。
そしてその宴の様子を一人、店の隅で傍観していたのはちゃーりーである。
キヨモジはMODSをかけ始めた
第6回終わり