デスレース2000年
デスレース2000年(もしくは2000)は1975年に公開された近未来SFである。
製作が偉大なる帝王ロジャー・コーマンで監督がポール・バーデルであるのだがこの映画は俺は再放送で中学時代くらいにTVで観た記憶があって部屋の中で大笑いしながら転げまわっていたと思う。
ただ1975年という年は個人的にはPUNK爆発の前年、そしてロッキーで有名になる前のスタローンがアホなマシンガンを撃ちまくって人殺しをするジョーって役で出ていたり、デヴィッド・キャラダイン扮する不死身の男で五体がばらばらになっても再生手術を受けて蘇るフランケンシュタインなどを観ると、もうスター・ウォーズというとんでもない記録的HITを飛ばした大作SFのダースベイダーの元ネタになっているのは明白である。
1976年、77年というのはポピュラー文化において1965年や1969年と同列並に測れる重要な時代でありその前にはその序章となるカルトパワー炸裂なこういう映画があったわけだ。
皆さんは搾取映画という言葉をご存じであろうか?
全ての映画は観衆から搾取しているわけなんだがとりわけ低予算でかつエロースがあり必ず女の裸や陰部が出てくる映画が搾取映画であり、新東宝の大蔵映画や一連のバディームーヴィー、カルト、ロジャー・コーマン、、ラス・メイヤー、エド・ウッドなんかが代表的であると言われる。
あらすじは単純で西暦2000年に米国で大人気を誇るデスレースが今年も開催されたのだ。
NYからロサンゼルスまで命をかけて誰が一番早く到着しその間にどれだけ人を弾き殺すかを競うかというまさに正真正銘のデスレースである。
人をひいた場合子供や老人が高得点って言う処がR指定になった要因であろうがとにかくそういう陰惨なルールでありながら弾き殺される人達も明るく能天気なのがいかにも人の命の軽いバカ大国、米国らしくていい。
昨年の優勝者で人気者のフランケンシュタイン(デビッド・キャラダイン)やその彼に近づく謎のメカニック美女アニー(シモーヌ・グリフィス)、俺がよく比喩に使う女帝カラミティ・ジェーン(メアリー・ウォロノフ、この人はロックンロールハイスクールでも好演していた女優)、気が短くなにかと気に入らない事があればマシンガンを撃ちまくるマシンガン・ジョー(シルヴェスター・スタローン)、ちょっとキャラ立ちが弱い暴君ネロ(マーティン・コーヴ)など多士済々の出場者が出るのであるが果たして勝利を手にするのは誰か?そして恐怖政治で自由も平和も奪われた米国に未来はあるのか?
とにかく爽快に笑いとばせるし小難しい理屈は映画にはいらんのじゃい!って人にお勧めですよ