ミンボーの女
パクリ企画しりとり第3弾 映画しりとりは合計121作のノミネートがありました。
↓
最近、この映画を観ましたので第6弾はミンボーの女」です。
というより1回は観たような記憶があったかな?
民事介入暴力をテーマにした映画であるが、この映画直後に伊丹氏は暴漢に襲われ重傷を負い、次作の映画を上映する映画のスクリーンを切り裂かれたりされたから相当、やくざにとって居心地の悪い内容の映画であることでは間違いない。
芸能界自体がヤクザと持ちつ持たれつの関係は昔からあるので俺のなかではこの映画公開当時(1992年)の騒ぎは黒幕は実は同じ芸能界からじゃないのか?と勝手に訝ったりしている。
どこの街でもたぶん?商売を始める際に賃貸で物件を借りる際、一応不動産会社から非合法組織との取引には一切使用しないなどの文言が謳っているのが多いのは、不動産業者も事件に巻き込まれたくないからだろう。
この映画以外にも伊丹は宗教や医療や脱税なんかのタブーに切り込んでいて、それをエンターテイメントに仕立て上げ1990年代に大HITを飛ばしている。こういう題材を扱ってエンタメ化するのは難しいが才人と言えよう、惜しい人材である。
舞台は危機管理の甘いホテルで宮本信子演じる女弁護士がホテルの支配人にヤクザの暴力なんかに屈しないホテルにしていく内容である。
今でこそこの映画に出るホテルとかにヤクザが大挙押し寄せて宿泊したり入浴したりというのはなかったが1980年代とかそれ以前はゴロゴロ刺青をしたヤクザが銭湯やサウナを利用していた時代があった。
今、ヤクザをしている人たちの平均年齢が50代を超えたそうだ。
いわゆるシノギがとりにくくなったのと同時に、普通に昔みたいに車を買えない、色んな施設を利用できないとか不便なことが多いので若い成り手が激減しているようである。
半グレとか最近は組織に縛られない自由な輩が増殖していてその大元をたどれば暴力団とかいう構造もあるようだ。
当然、ヤクザにいいように利用していたホテルが一人の女弁護士のおかげで使えないのは敵わんのでヤクザたちは弁護士を襲撃したり、似非右翼として街宣車で街宣活動して営業妨害したりする。
ヤクザにいいように振り回される支配人役が宝田明なんだけど、結構勇気があるなあーって感じました。だって芸能がヤクザとズブズブの時代からの現役俳優ですからね。
少々きれいごとな内容ではあるがエンタメなんでそこは許してあげないと、現実は違うし未だに権力者が利用したりしててそれなりに存在があるわけだから。
ただこういう映画を作り上げた伊丹十三氏は勇気ある映画人である。