気ままに気楽に

今日も息をしています

東京物語



パクリ企画しりとり第3弾 映画しりとりは合計121作のノミネートがありました。



イメージ 1


第75弾は東京物語です。

1953年公開の本作は日本のみならず、特に欧州の映像作家に多大なる影響を与えた小津安二郎における黒澤の「羅生門」に相当する名作である。

この映画のロケは尾道で行っており、俺自身も尾道に5年前のこの時期に映画資料館でポスターとかいきさつみたいなのを観た。

イメージ 2


若いころに観たときは割とさらりと遺産相続並びに終活みたいなものを描いているなぁという程度の印象しかない映画でしたが、俺も壮年に差し掛かる中、両親、親戚の方々、著名人で俺にとってお馴染みだった人々、兄の友人、友人の親友などが逝去する中で今一度この映画を観ると、若いころに観た頃の印象とは違って観えるだろう。

どんなに人間が特に近代史においてもっと広義に言えば古代の頃、文明というのが出来てからどういう形であれ、人それぞれ程度の差こそあれ近親者に対しての慈しみ、思いやりというものは永久不滅なような気はするのだ。

もう居なくなって久しい、ある意味親父より世話になった叔父が黒澤映画とか小津の映画(東京で暮らしていた頃観たのかも?)を称して名画はいついかなる時代に観ても普遍なメッセージがあると言っていましたけど、この映画もそれに相当すると思われる。


遠くの血縁者より近くや遠くの他人や遠縁者という言葉があるけど、まさにそういう感覚が映像でダイレクトにわかる。人の思いというものは血縁者でもそうでなくても差異があるということ。法律なんかでは人間の感情は制御できないのだ。

小津映画の目線は昨今の権力者や偉ぶってる巨匠とは違う常に下から目線のアングルなんで庶民の俺はすんなり入り込めるのは確かで多くの人はそれを、キャメラアングルから感じ取れるのだ。