格闘王 前田日明
どうだろう。前田日明は格闘家なのかプロレスラーなのかといえば先鋭的な格闘プロレスラーといったと
ころか。いわゆる真剣勝負をしたことはほぼない人なのでプロレスラーだろう。
しかしこの人がいなかったら日本における総合格闘技の概念というものが生まれなかったかもしれない。
UWFという格闘プロレス団体を旗揚げすることにより、もう一度プロレスのシンプルな技がいかに威力
と効き目があると再認識をさせた人である。
裸締め、アキレス腱固め、アームロック、腕ひじき十字固め、スープレックス、キック、掌底、等等。
特にこの人のミドルキックとスープレックスは本当に相当な破壊力があったと思われる。
動画は一応、シナリオのあった異種格闘技戦だがこの当時、猪木は完全にレスラーとしての力は衰え、政
治力だけでプロレスをするようになっていた。何度も真剣勝負を要求する前田を拒み代わりに異種格闘技
戦の話をもちかけるが、キックボクサーと対戦という情報だけしか前田に知らせず、完全に前田潰しの刺
客としてドン・中矢・ニールセンを送りこむ。
この試合を観たとき、ニールセンのパンチ・キックはヘビー級の威力はないが、準備不足もあり前田はか
なりマトモに貰ってる。軽いといっても数多く当たれば効いてくる筈である。
事実、前田はこの試合後倒れてしまい、シリーズの残り試合を欠場、病院に入院し頭の検査とか受けたり
して再起不能になるかもといった情報が錯綜する。幸い大事には至らなかったがそういう意味ではガチな
試合であった。この試合の後のメインで猪木がレオン・スピンクスと格闘技戦をするが御約束バレバレの
しょうもない試合をしたため余計にこの試合が光り、時代は猪木から前田に移ることに。
その後、第2次UWF、リングスと今の日本で隆盛を極める総合格闘技の基本となる格闘プロレス団体を
立ち上げ、現在はTHE OUTSIDERという全国の荒くれ者を集めた格闘技イベントをプロデュー
どの総合格闘技の強豪は日本で観れなかったはずだ。強豪を発掘して育て上げる手腕は抜群のセンスがあ
る。選手としては引退したがまだまだプロデューサーとして頑張ってほしい人物である。