気ままに気楽に

今日も息をしています

アメリカン・ヒストリーX

 
あまり積極的に1990年代後半のハリウッド映画は観なくなりましたが、時々この映画の様ななんというか重い 1970年代のニューシネマの様な陰鬱でドヨーンとした感じの映画に出会えたりするからまだまだハリウッド映画も捨てたもんじゃないような気がする。
 
自分の父親を黒人に殺された主人公のE・ノートンが思春期に丁度Xジェネレーションの時期でネオ・ナチズムにどっぷりはまりこみ白人至上主義者として自分が全能であると信じ込み、殺人を犯し彼らのグループの中で神と崇められ、実弟も尊敬しまくり最終的には悲惨な結末に終わるのである。
 
この映画に込められたメッセージは非常に重たいと思います。
 
表層的には人種差別を取り上げていますけど、貧困やホワイト・トラッシュ、病めるUSAの実態、資本主義社会の残酷さや限界も垣間見える様な気がします。
 
昔、誰かが云ってた犯罪の凶暴性ってのはアメリカの10年遅れで日本なんかでも突出したりするなんてことを云ってましたがもうどんなに悲惨なエグイ犯罪の記事や映像を観ても驚かなくなった我々も感覚がXジェネレーション並にマヒしてしまって、私なんか悪い癖で悲惨な殺人事件で悲嘆にくれてる肉親をみて実は。。。。なんて最悪な妄想をしてしまったりして精神衛生上あまりよろしくない事があったりします。
 
まあ現実の世界が色んな意味で世知辛いからこういう映画を観て共感、共鳴したり又ノー天気な音楽を聴いて気を晴らしてる部分は大いにあると思います。
 
しかし、このエドワード・ノートンって役者は1970年代のアンチ・ヒーローな雰囲気を持った人で個人的には今後一番期待してる数少ない若手、中堅どころの俳優ですね ♪