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ビギナーズ

パンク世代の鬼才、ジュリアン・テンプルが監督した英国映画『ビギナーズ』は1986年に公開されました。
 
1958年のロンドンのソーホー地区に生息していたビギナーズと呼ばれていたHIPなティーンを描いた異色ミュージカルである。
 
ワタシの個人的な感覚というか肌で感じるモノってのは1950年代後半に関しては特に英国の場合は60年代のビートルズを筆頭とするビートバンドの台頭以降、以前で分けられていてその以前ってのはあまり語られていないし自分自身もこれからの収穫と検証対象にしたい時代ではある。
 
いわゆるモッズの連中が影響を受けた米国産の黒人音楽であるとかバブルガム・ポップ、スウィンギングかどうか分かんないけど原色の派手な色を使ったファッションと対照的にモノトーンを基調としたもの、そして現在にも通じるロリータ・ポップの原点を1980年代半ばの視点からジュリアン・テンプルがそして客演しているデヴィッド・ボウイーが自らのルーツを探る視点で当時のダイナミックで劇的に英国ポピュラー・シーンが変貌しつつある様子を主人公のキャメラマンの卵を通じて描いているのである。
 
この映画を観る限り当時の英国、特にロンドンの若者は米国のロックンロールやジャズに本国以上に畏敬の念を持って昇華していき来るべく黄金の60年代に備えて爆発するマグマの噴火をさせるエナジーを貯めている風にも見える。
 
エイス・ワンダーのパッツィ・ケンジットもなかなにキュートでソウルフルな歌唱を魅せてくれて楽しませてくれます。
 
アパートの管理人役でクレージーな役をTHE KINKSのレイ・デイヴィスが演じてたりしてニヤリとさせられます。
 
後半部分はちょっとお話の部分を政治なんかにも広げたりして、英国でもあったマイノリティに対する迫害だとか極右の危うさ、人種差別を描いているのですが正直、散漫な印象は受けました。
 
公開当時、観よう観ようと思って観れなかった気になる映画の一つでつい最近ようやくCS放送にて観賞したのですが英国音楽シーンを語る上で必須といいますか、ココから派生して黄金の60年代ポピュラーを好きな人間には絶対にオススメの1本です