SFドラマ 猿の軍団
「SFドラマ 猿の軍団」は1974年に円谷プロが製作した特撮ドラマである。
この1974年という年はサブ・カルチャーを考えるときに重要な年で、詐欺師超能力者ユリ・ゲラーの来日、手品のスプーン曲げ、終末思想の権化、五島勉の「ノストラダマスの大予言」、川口浩の探検隊シリーズ等等、ムーってSF雑誌の世界がそのままお茶の間を席巻した年であり、信じまくった御仁も多いであろう。
そんな中、確かTVの日常洋画劇場の影響?か続編の映画化のお陰かで「猿の惑星」ブームといいますか猿ブームもあったように記憶します。
その流行?に便乗して作られたSFドラマで、当時は馬鹿にして真剣に観ていませんでした。
つい先日、全28話をCS放送のチャンネルNECOで放映があったので改めてしっかり観てみますと当時、視聴率的には苦戦したそうですがかなり面白いドラマでした。
いわゆるタイムカプセルものと呼ばれるSFドラマなんですが、ココに込められているメッセージは人種偏見であるとか理由なく差別、出自による差別やひいきをなくし公平性を持たねばならないという、猿を通じて裏にある円谷のメッセージを感じ取ることが出来ました。
猿の生態研究所の女子研究員、泉和子と、見学に来ていた榊次郎、ユリカの3人は突然起きた地震によりコールドスリープ装置に避難、そのままタイムスリップしてしまい、近未来の猿しかいない世界に迷い込む
ソコでは少数の人間が生息していたのだが猿との戦いに敗れ、森の中に潜むゴードという青年だけが軍団と呼ばれる猿と戦っている23世紀の地球というか日本であったのだ
ワタシならもうこの時点で絶望の淵に追い込まれて死にたくなるような悪魔的設定であるが、時期はちょうど穏健派のゴリラ派と強硬派のチンパンジー派との政争にも巻き込まれて、4人の人間は猿の世界で必死に生き延びようとするのだ。
幸い、猿の軍団の最高権力者ビップ治安大臣は人間に対して理解があり、4人を保護してお互いこの世界で共生しようではないかという意思の元ではあるのだが、チンパンジー派はとにかく人間憎しという事で4人は仕方なく逃避行をよぎなくされるのだ。
その逃避行の中でゴードの友人のピピという子猿とか猿の中でも人間に暖かい手を差し伸べる優しい猿も少数ではあるのだが存在して、視聴者も4人も絶望の中にも心温まるときも過ごせたりするのである。
時折、絶体絶命のピンチに陥った時に現れて、人間の味方をする謎の円盤がユーコムと言って、昔の人間が作った人造コンピューターでなんでもかんでもコンピュター管理にした人間に対して、憎しみを持っているのだが自分という神に近い存在を作った人間を一応、保護する設定なんてのはHAL9000なんかと同じような、人類に対しての警鐘を促してるようにも思える。
猿というか進化した猿人ともいえる猿が、人間を裸の猿と称してドラマの中で頻繁にセリフで出てくるので、毛むくじゃらの猿がまともで人間がおかしいような錯覚にも陥る。
逃避行の末に彼ら4人の人間はユーコムから3つの選択を余儀なくされ、この猿の時代にとどまる、地球から別の惑星に行く、数千年先の未来の地球に行くとドレを選んでも地獄の様な設定であるが、彼らは未来の地球に行くを選択して、果たしてどうなるのか。。。。。。。。
この主題歌が当時、凄い耳についてよくふざけて歌っておりました。
このギターのスケールというかトリル?してる音って凄い印象的で特撮ドラマにおける「ウルトラQ」に匹敵する素晴らしい音だと個人的には思います