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高校大パニック

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1978年に発表された実質、アンファンテリブル、怒れる猛牛映像作家石井聰互のデビュー作でもあり、共同監督として日活アクション映画でおなじみの澤田幸弘が挑んだバイオレンスアクションである。

又、今では大女優の一人となった浅野温子のデビュー作でもあり衝撃のヌードも晒している問題作でもある。

お話の方は九州にある中州高校が県内でも猛烈進学校で特に数学に力を入れて学内でもスパルタ教育を行い、その数学の授業についていけなかった男子生徒が建設中のビル現場からノイローゼの為に飛び降り自殺する。

このスパルタな数学教師のやり方はメチャクチャで方程式の解けない進学志望の生徒にはとにかく体罰で、校庭を10周走らせたりして、楽しい学園生活を望んでいる生徒からしたら悪魔の様な教師ではある。

そこで一人の大人しい生徒、城野(山本茂)が前日に自殺者が出たのにもかかわらず平然と授業を続けるこの数学教師に怒りを覚え学校を抜け出し、銃砲器店でライフルと弾薬をしこたま盗みその足で数学教師を撃ち殺してから、白昼堂々立てこもりをはじめ学園全体がパニックになるというお話である。

セリフの端々に九州大学に合格せんとってのが多いのですが、神戸でいう神戸大学や関西でいうところの大阪大学の様な超優秀な名門国立大学を指しているのであろう。

この映画、むかーしにTVで観た記憶があるのですがかなりインパクトがありまして先日、CS放送にて改めて観たのですがやはり凄いバイオレンスムービーではありました。

物語の根底に受験地獄の悲劇ってのがあるわけなんですが、俺なんかも中学時分にスパルタ進学塾で塾長やバイトの神大生によく怒られていたから数学は最悪に嫌いな授業だったし、こんな教師が高校にいたらテロルしそうになっていたかもしれない。

野次馬役で泉谷しげるが出演していたり、一説にはデビュー前のANARCHYの連中も出演してるって聞いたことがあるのですがどのシーンか?分からなかったし出演していなかったかもしれません。

映画の何シーンかで大型ジェットが轟音をとどろかせて学園の上を低空飛行するのですが、ソレを見てよど号ハイジャック事件を想起しました。

あの事件で犯人グループの一人が高校生だったのですが、ソイツが通っていたのが我が母校の高校でその事件以来兵庫県内でも有数の進学校だったのが、ワルばかり集まる評判の悪い高校になったそうなんです。

それでも俺より3学年上の生徒で国公立の大学に進学する生徒はいましたけど、もう全然落ちこぼれの集まりの高校でスパルタ教師なんて存在しませんでした。

この映画の主人公には何故か童貞臭といいますか、純粋なまっすぐなモノが感じられます。

ソレは一部イスラームの宗教テロリスト達に共通する匂いでもあります。

そしてこの主人公演ずる山本茂もその後のバイオグラフィーは不明なのですが瑞々しくも切迫した狂気を魅せます。

この未曽有な少年犯罪をなんとか防ごうとする刑事役の青木義朗もニヒルで渋い演技を披露します。

相手が高校生であろうが教師射殺犯となれば、警察も容赦しないし彼が城野のカバンをナイフでズタズタにしたり弁当箱を逆さまにしたり、殺された数学教師の机を無造作にひっくり返してクスリ系がないか調べる辺りは本物の刑事の様で緊迫感のあるシーンでした。

少し甘い部分も見受けられるかもしれませんが日本のニューシネマ的な傑作だと個人的には思う。