気ままに気楽に

今日も息をしています

やせっぽちのBoogie(仮題) 第1回

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「こうべ、、、、かあ~」、、、、、、、フーと溜息をつきながらベッドから起きる。

まだ朝の6時だ。正月ボケの残った※1加納町の街は昨晩の喧騒が嘘のように静かだ。

シドは実はつい一昨日までは東京に住んでいたのだがとある事情により神戸に引っ越してきたのである。

加納町の雑居ビルの最上階の7階が彼のねぐらだ。

昨晩は憧れの探偵物語の工藤ちゃんや傷だらけの天使の修に自分がなりきった夢をみたばかりだ。

「でも俺の商売ってまんまじゃねーか」なんて優越感と自己陶酔に浸る自分もいたりする。

朝日がブラインド越しから射し込んできて、やけにまぶしい。

やおらジャージ姿のまま、街をうろつく。

この街も10年前とあまり変わりがない事に、気づく。

「やっぱり東京とは空気が違うわ、なんにも変わってね~処もいいね」

「昨日の晩?俺何をしていたのかなあ~?、、、、ちょっと記憶を飛ばすようになるなんて俺も少し年かな?」

明日からは日課の早朝ランニングを敢行しようと考えている。

その前に下見としてランニングコースを夢想する。

彼のヤサから北に少し向かい、旧国体道路を抜けて※2王子公園の前を通り、※3阪急六甲駅まで行けば約往復8キロ程度の朝のコースとしては快適だ。

六甲山の新鮮な山の空気も吸えるだろうし。

そんなことを考えながら、シドはぶらり東神戸を散策した。

そんな道中で背後から声がかかる、「おーいシドちゃ~ん」・・・・「この抑庸がなく力感のまるでない声はあのおっさんか?」・・・・・シドの顔から笑みがこぼれる。




(第1回終わり)

※1加納町→神戸三宮の最大の歓楽街、雑多な業種(主にBARやスナックが集中している地域)

※2王子公園→西日本でも有数の動物園、王子動物園がある公園で灘区にある

※3阪急六甲駅→神戸でも学生でにぎわう阪急沿線の駅、周辺には規模が小さいがお洒落な店が多い


表現や文体で甘い処などありましたらアドヴァイス宜しくお願いしますね、皆さん。