やせっぽちのBoogie(仮題) 第10回
シドは※1木馬で待ち合わせをしていた。
BLUEと気ままにとである。
今回の襲撃事件についての今後の対策について相談するのであるが、気ままにの場合神戸のあらゆる闇と表の流通経路や組織などの情報に一番、明るいからでありBLUEも彼に絶大な信頼を置いているからだ。
「気ままにさん、今回の事件どう思う?」
「俺はヤンキとかいう男の仕業と睨んでいるが実行犯までは分からんね」
「そうね、考えられるとしたらあの男しかないわね、でも最近神戸から姿を消して東京だか北海道に拠点を移したって聞いたけど?」
「いや、又戻って来てるらしいんだよな」
「よく分からんけどそのヤンキって男どういう奴なの??」
この襲撃犯の黒幕と目される男は気ままにが中学生時代から地元で知らない者はいないワルで日本最大組織のY組のスカウティングも受けたらしいが断り、闇金融を主に生業としているのだがとあるもめごとでBLUE達と衝突、敗れその後神戸から姿を消したという噂が流れていた。
ただ非常に巧妙な仕組みの罠を仕掛ける男なので警察の御用にはならないし、汚れ仕事は専門家?に任せて裏で糸を引くやり方なので、今回もその類と見られるがその目的が分からない。
「俺はさ、あのドラマーのちゃーりーっての?なんか臭うんだよな」
「実はさ、ワタシの自宅に数日前こういうのが来てたのよね」
それは達筆な文字でしたためられた脅迫状であった。
3人の顔に緊張の色がいやましに濃くなっていった。
第10回終わり
※1 木馬→神戸でも有数のジャズ喫茶、三宮の地下に入る店で店内でJAZZの生演奏も楽しめる珈琲の上手い店、阪神淡路大震災の2年後くらいに?閉店