やせっぽちのBoogie(仮題)第15回
シドはあるとんかつ屋の行列に並んでいた。
ココは神戸市東灘区で、特に行列ができるほどのカツを揚げるのが上手な店で全国にファンは多いのだ。
コレコレ、コレなんだよなあ~キャベツ千切りどっさりもいいんだが、この粗い切り方に無造作にカツが載っている、コレがPointなんだよ!!
彼は自他共に認めるB級グルメ大好き男で、仕事の無いオフはぶらり一人旅しながら、その土地の名産(観光地などではなく)を喰らうのが一つのライフワークなのだ。
さあーて腹ごしらえもしたし、これから三宮に行ってあらためてじみーな聞きこみ調査と張り込みでもはじめるとするかあ~。
背後に嫌な雰囲気を感じた瞬間、彼の脇の下をドスが通過した。
一瞬の反射で体をそらし暴漢の攻撃をかわし、腕をねじりあげドスを落とし暴漢を蹴り上げる!!
お前、なにもんだ!!素人がこんな真似しちゃいけねえ―、それとも誰かに頼まれたのか?
存分に締めあげた後、暴漢少年はヤンキの指図(間接的に)でしたと吐いた。
ヤンキは神戸一体の不良少年も傘下に収めているようであり、つまり最悪(ある意味最高の結果)な事態で標的をHITしても未成年であれば、成人と違い罪状は軽くなるし狙う標的自体、脛に傷を持つ連中がほとんどなので大した刑罰にならないことも熟知しているのだ。
暴漢少年が懇願するので警察に引き渡すのは控えたが、そのかわり情報収穫も得た。
どうもやっぱり、あのちゃーりーって野郎が1枚かんでやがるな!!
胸糞わるくなったシドは※福原国際東映で昭和残狭伝を久々に観た