RAGE AGAINST THE MACINE RENEGADES
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2000年に発売されたレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの最後のアルバムである。 このバンドの記事を書くにあたっていつも思い出すのが拡声器という道具の存在である。 主に政治活動で19世紀から使われていたと思しきこの道具は、人間の声を最大限に大きく聴衆を鼓舞するようにアジるのに適している道具のように思える。 この道具を有効利用して、多くの政治家や活動家が自分の存在意義を高め、より自分達の思想や信条を広める役目を担ったのに想像にがたくない。 そしてポピュラー音楽の世界で行くならば、大陸の演説歌(演歌)や1960年代のフォーク・ゲリラ、70年代のポリティカル・PUNKの連中(クラッシュ等)の小道具として活躍した筈である。 そして俺の体験で言えば、80年代初頭Japanese Punkの雄The Stalinが効果的に使っていて、神戸初上陸のGIG(奥崎謙三も来ていた)や京都大学西部講堂で非常階段とのユニット、スター階段でも効果的に使用していたような記憶がある。臓物まみれになって観客も大変な目にあう危険なGIGでしたけどね(笑) 俺が1990年代で唯一、斬新で新しく思ったのがこのバンドの音でココのVoのザック・デ・ラロッカーのアジテーションともとれる吐き捨てるようなハードラップは非常に好感が持てて、他とは全然違う熱い魂のほとばしりを感じたもんである。 他にVoでこういう印象を受けたのはちょっと種類が違うが90年代ではザックの他にパール・ジャムのエディ・ヴェダー、ニルヴァーナのカート・コベインくらいかな? ココのトム・モレーロ(Guitar)が俺と同世代でしかも父親がニカラグアのサンディニスタ革命の闘士であり母親も活動家であったという事もあり自然と、このバンドからクラッシュ等の70年代Punkの臭いも感じとれたりするのだ。 個人的には3のMC5のカヴァーや4の野太いファンクサウンド、11の大胆な解釈のストーンズカヴァー、12の怒り溢れるディランのカヴァーが白眉であるが、どの曲も非常に完成度が高いなんて表現したらいいか分からない音だが、轟音ファンク・ハード・ラッピングなサウンドはあらゆる層のポピュラーのリスナーから受け入れられる音だと個人的に思う。 俺が以前に勤めていた某通信会社の同僚の若い社員がレイジをどう思う?って聞いたらトム・モレーロのギターは神業で他の追随を許さない程の唯一無二の存在なんだって言いきっていたけどその気持ちはよく分かります。 つくづく2000年に解散したのが惜しまれる1990年代の怪物バンドであった、俺にとっては。 | |||||||||||||||||||||||||||||