華氏451
あなたは紙、もしくは紙媒体、本が自然発火する温度をご存じだろうか?
それは華氏451度である。
日本では一般になじみのない単位であるがヨーロッパなどではいまだに使われている単位なんであろうか?
セルシウスなんちゃら?とか米国や英国は世界標準とは別の単位を特にスポーツの世界では持っていたりする。
ポンド、ヤード、インチ、フィート等々。
世界標準的にはキロ、メートル、センチなどが共通なんだが、この単位を根強く使ってる競技も多い。
プロボクシングやベースボール、ゴルフ、テニスなどで散見される。
因みにざっくりとであるがわかりやすくこのなじみのない単位の基準を述べよう。
ボクシングなどのプロ格闘技で使うポンドは200ポンドでおおよそ90キロくらいのいわゆるヘビー級だ。
全盛期のプロレスのアナウンスはこのポンドで表現していた。
スキニーな猪木なんかでも大男(100kg前後)に感じられれるからね。
333フィートが約100メートルでMLBのベースボールのスタジアムで時折観る表記だ。
1インチは約25ミリである。
因みに華氏451℃は摂氏233℃で紙が自然発火どころか猛烈な炎の温度だ。
読書の秋ということで多くのブロガーがお勧め本や自分が読書した感想を述べているが、俺みたいな変人野郎がそういうことをしても面白くないだろうということでこの近未来を想定した傑作SF映画を紹介したい。
本や活字のない世界=思考できない世界=地獄=独裁=行き過ぎた共産主義的なモノをこの映画で巨匠フランソワ・トリュフォーが描いていると個人的には感じた。
1966年というおおよそ50年前にこういう怖い世界を映像化したトリュフォーは天才映像作家であるけれど、今現在表現の自由を脅かす言葉狩りや自主規制や放送禁止に準ずる用語なんてのを見聞きするたび今のところ、フリーな空間であるNETの世界もこういう規制がいつくるか?わからん時代でもあるから老婆心で大げさながらこの日本社会の中途半端ではあるけれどそこそこ自由ではある今現在を感謝したいとは思う。
独裁の権力者にとって一番ありがたいのは市井の民が知識を持たないこと、情報がないことが一番望ましい。
そういう社会を作って一時代を築き上げた帝国はいくつか歴史上あるがすべて滅びている。
絶対正義なんて概念は俺は持たないけれど、そういう国体は歴史上すべて滅んでいる。
今後もそれは変わらないだろう、願望ではなく歴史が証明しているから。
この映画のラストはシュールで素晴らしい、人間がそのまま文学そのものになる世界を描いている。