気ままに気楽に

今日も息をしています

ドラッグストアカウボーイ

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1989年に公開されたマット・ディロン主演の映画であり、ガス・ヴァン・サントの実質監督デビュー映画。

俺の中でのマット・ディロンはこの映画を観るまではいけ好かないボンボン俳優という印象しかなかった。

初めて観た映画が「マイ・ボディガード」って青春映画でガキ大将のくせにチキンで意気地なしで喧嘩で鼻の骨折られてベソをかくヘタレという印象。

その数年後、ヤングアダルト俳優として80年代の一部女子に人気を得るが俺は大嫌いで第2のマーロン・ブランドとかふざけた形容詞にはFuck offであった。

同じような存在にミッキー・ルークが居た、トム・クルーズも嫌いだった。

コレは日本のチキンな男性アイドルに感じる嫌悪感と若干違うものではあるのだ。

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この映画も一応、青春映画なんだが80年代前半に乱発された青春映画とは一味違う。

おそらくザント監督の性春時代の追憶と思いれが入っていたと思う。

監督はWoodstockなんかの60年代後半のカルチャーを原体験している世代で、俺らやデュロンはそのあとの世代なんで少しあこがれもあったりするのだ。

お話は1970年代前半の男女の乱れたSEX、DRUG、R&R青春ムーヴィーなんだけど独特の嫌世感とシラケ的雰囲気と主人公デュロンの死生観が垣間見える。

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とにかくキメタい、いい気持ちになりたいということで麻薬に溺れる若者がドラッグストア強盗をしていくだけなんだけど、その野良犬ぶり、チンピラぶりがよく嵌っていた。

こういう奴らがたどる最後は悲惨なモノでそれも割と乾いた感覚で描いているような気がした。

麻薬の幻覚症状でデュロンがこの映画でしきりに言うのが人間は自分の背中が見えたときが死ぬ時なんだよとかってのが響いた。

自分で自分の背中は見えない、つまり死なないと見えないという暗喩の様である。

この映画でマット・デュロンという俳優を少し見直した。