気ままに気楽に

今日も息をしています

はなれ瞽女おりん



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ごぜ(漢字変換できない)とは盲目の女性旅芸人で三味線弾きのことである。

おそらく豪雪の北陸を舞台にしているから津軽三味線なんだろう。

そのごぜさんの半生を描いた小説を篠田正浩が1977年に映画化したものである。

俺は岩下志麻的美人女優は美人と思うがあまり興味がない。

その岩下志麻が全身全霊を傾けたと思われるこの映画の主人公のごぜは迫力があります。

盲目の旅芸者、時代は大正時代?男尊女卑な時代背景もありこういう存在ははっきり言って客から弄ばれる。

あわれ旅先で男(地元の権力者?クズ?)の観客にレイプされる描写もありそう何回も観たいと思わない映画でもある。

そういうわかっているけど悲惨な映画という観点では梶芽衣子が主演した「曽根崎心中」と共通する感覚のある映画ではある。

旅先の途中で脱走兵の男(原田芳雄)が用心棒的な存在にはなったりするが、なんとなく全体的に陰鬱で暗い印象は変わらない。

篠田正浩って監督は岩下志麻の旦那というだけで俺はよく知らない。

ただ、この映画で映し出される北陸の四季の移ろいの景色描写は見事である。

何が言いたいのかイマイチわかりづらい映画ではあるが、盲目とは別にして芸者とか今でいうミュージシャンや役者なんてのは客があってこそ成り立つ商売でチャック・ベリーじゃないけどモンキービジネスであるということ。

岩下志麻や篠田監督なんかはその辺はよく理解しているからこういう芸能にキツイ表現の映画をあえて制作、演じているのであろうがイマドキの勘違いした芸能の輩はこういう存在があったからこその自分達であるというのを肝に銘じて欲しい。

美しい日本だとか、教育勅語だとか御託言う前にこういう厳しい時代があったからこその今の日本が存在するのだと今一度、俺みたいなダメ人間でも再認識するのだ。

なんやかや言っても俺達のDNAには粘り強い精神力がある祖先の血が流れているとは思いたい。