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今日も息をしています

ストレート・タイム


ダスティン・ホフマンといえばアメリカを代表する性格俳優である。

そしてアル・パシーノとともに1970年代の幾多のニューシネマの傑作に出演してるいわば生ける伝説

の様な俳優です。少なくとも私にとっては。

ただコミカルな役が多くあまりパシーノの様なハードボイルドな演技は披露していない。

だが1978年に公開された『ストレート・タイム』は彼が唯一つハード・エッジな役を演じた快作であるように個人的には思います。

この主人公はいわゆる自分の意思とは別に道を狂わされて結局、犯罪にまた手を染めてしまい世間に復讐するってな典型的なパターンのクライム・ムービーなんですが完璧な男です。

普通、この手のクライム・ムービーには主人公の男に女がくっついてきてその関係が破綻したり密告されたりして主人公も墓穴を掘るという『勝手にしやがれ』のJ・P・ベルモンドみたいなみじめな結末で終わったりするのだがここでのホフマンはそんな女は逡巡なく切ります。

その辺が従来のクライム・ムービーと違って新鮮でしたね。

トム・クルーズなんかが多分、ダスティン・ホフマンの様なラインを目指してるのかもしれんけど逆立ちしても追いつけないというかやはり1960年代~70年代にメソード演技をしっかりしてる連中にはそこはかとない演技力と迫力がありますね ♪