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8月の狂詩曲

映画『8月の狂詩曲』は1991年に公開された黒澤映画です。
 
コレは狂詩曲と書いてラプソディーと読みます。
 
黒澤明といえば、東宝のイメージが強いのですがこの映画は松竹配給です。
 
前作の『夢』は非常に評価の高い作品でしたが私の中ではあ~もう終わろうとしてるんやなあ~っ世界のクロサワもって思って劇場で観たのでこの映画にはまるで興味が沸かず劇場では観ていません。
 
後年、ビデオで観てしまった・・劇場で観ればよかったって後悔した1本です。
 
つい先日、CS放送にて朝まで生テレビの再放送を観ていたのですが時期的に尖閣沖にて中国民間船が海上保安巡視艇に激突した映像が職員がユーチューブにて動画を公開した時期だったので、議題のテーマが核をどう考える?ってなモノでした。
 
朝日系の番組なんで当然、反戦反核ってな論調になりがちなんだけどパネラーの桜井よし子氏?だったと思うけど、日本は核を落とされた被爆国だから核を持ってはいけない前提で論議してはいけないと熱弁しとりました。
 
私も同感でただ北朝鮮、中国と周辺国で核保有の国がある中、日本が核を持っていないのはワタシの超個人的感想ですがウソやと思います。
 
私の父が生前、全国の原子力発電所にて溶接の仕事をして飛び回っていた元気な頃に、あんなもん有事があったらすぐに変わるぞ、間違いなく核を持っとるかもしくは準備しとる筈じゃと憶測を言ってましたけど結構、なんか説得力がありました。
 
で、この映画なんですけど非常に静かな展開でお話が進む中にクロサワの平和に対する強烈なメッセージが込められてる様に自分は感じました。
 
長崎の片田舎で暮らす老婆の元にハワイで大富豪になり出世した兄から、突然エアメールが届き、息子たちは大喜びでハワイに行きます。
 
その間、夏休みを利用して老婆の孫に当たる4人の子供たちが彼女の昔話を聞きながら原爆の悲惨さを理解していきます。
 
ソコに彼女にとって甥にあたるクラークという米国籍の人間が遊びに来て、太平洋戦争末期の日本の現状を聞かされてなんともやるせない気持ちになるってな内容だったかな?
 
このクラーク役をリチャード・ギアが演じています。
 
私はリチャード・ギアって俳優って好きではなかったのですがこういう映画に出演する彼は勇気があると思ったし見直しました。
 
そしていつの日か、米国の大統領が長崎、広島に赴き原爆碑の前で頭を下げていただきたいと真剣に考えた晩年のクロサワの傑作映画の一つだとしんみり感動しましたね。