薔薇の葬列
1969年に発表されたウルトラカルト邦画である。
と同時にピーターこと紅顔の美少年と言われた池畑慎之介のデビュー作でもある。
この映画を撮った松本俊夫は俺の推測だが、1960年代初頭の松竹ヌーヴェルバーグの特に大島渚の影響を受けていると思われる。
まだまだゲイバーだとか同性愛が物凄いマイノリティーな時代でかつ実験映画のように実際のゲイバーに勤めている有名無名のゲイ達にインタビューを敢行している様子などは、大島の「新宿泥棒日記」を彷彿とさせる。
お話の方は新宿のゲイバー「ジュネ」に勤めているエディ(ピーター)という少年の成長物語なんですが、店の経営者の権田(土屋嘉男)の寵愛を受け、新人でありながら店の看板娘?となり、やがて店も権田も独占したがために、元々のママ、レダが嫉妬の炎を燃やしエディを傷つけようとするが失敗し、自らは失墜していく。
しかしながら好事魔多しで天下を取ったエディはある事に気づきを感じ、自らの宿命を悟る・・・・・
ラストの10分間くらいは先端恐怖症の方は吐き気を催すくらいの悪魔的映像なので観ない方が賢明だとは思います。
多分にピーター自身がココまで生きてきた自叙伝的な意味合いもあるような描写もあります。
ただこの映画を観て俺が感じたのは、よくNYやカリフォルニアなんかのメッカが先進的って考えも分かるんだが、日本の場合大昔の戦国時代の武将(織田信長等)でも、同性愛好者で正室の嫁とは別に、遊び専用の少年をかこっていたという史実があるのでかなり、歴史的にこういった文化に関しては深いし独特な重さがあるようだ。
この映画に出てくるピーターはなんとも両性具有のジェンダー?としての妖気を放っておりその迫力にほとんどの視聴者を圧倒する迫力がある。
下の動画は気合いを入れて観るようにしていただきたい。