気ままに気楽に

今日も息をしています

ダスト8

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俺は少年の頃からマンキチ(漫画キ○○イ)で母親に漫画ばっかり読むな~!!ってよく怒られたクチですけど、やっぱり大人になってからも漫画なんて~ってバカにせずに読みモノ(小説)こそ文学でアールなんて狭義な考えは持たずおっさんになってからも読書に耐えうる漫画は今後も読んでいきたいとは思う。

手塚治虫なんてのはその代表の偉人の漫画家であり、その著作は世界各国で読まれ非常に幅広い作風の漫画家であり、未だにその世界観は古びないモノが多く、驚愕させられる作品が多い。

とか能書きをたれながら残念ながら俺の世代ってのはJUMP(俺らはプンジャってよく言っていた)黄金時代であり、手塚自体過去の漫画家って事でリアルタイムで読んだ漫画は非常に少なく、この画像にある全集でも全てを読んだわけでもなく、ピンポイントで短編を読んだ程度にしか過ぎないので岡田斗史夫や石川じゅんや夏目房の助みたいに評論できる知識もまるで持ち合わせていません。

ただ思うのはこの人が1960年代から実写の円谷と闘い、文学至上主義とも闘い、漫画やアニメーションの地位向上に傾けた情熱と言うのは凄まじいモノがあったと思います。

今の(少し衰えましたが)漫画やアニメーションの全盛の基礎を作ったと言っても過言ではないだろう。

こう書いていくとふと思い出されるのがRockやFolkやJazz、Blues等のやはり虐げられた音楽が若者の熱狂的支持により市民権を得るようになったって側面と似た処があります。

さしづめ漫画界のRockで言えばビートルズストーンズみたいなモノであり、ボクシングでいえばモハメド・アリの様な存在だったのかな?と想像をはりめぐらすわけだ。

昨日、おおよそ4年ぶりに昔勤めていた古書店に久々にお邪魔した。

店は存続していたが、閑古鳥が鳴いていて俺が勤める最後期(週2日ほどしか勤務出来なかった)以上に寂れていて相変わらず厳しい状況は変わらないようだった。

4年の歳月は短い様で長く、俺が勤務当時お世話になった店主の奥さんは2年前に逝去されたそうで、喪に服すという意味で店内の写真は一切撮らなかったというより撮れなかった。。。。。

店長は俺より5歳年長の50代の方なんですが、ここ数年の苦労がしのばれるのか凄い老けた感じがした。

俺も等しくつらい4年間を過ごしたから老けたとは思うのですが。

前置きは長くなりましたがこの「ダスト8」というのは手塚作品の中でも異彩を放っている内容だと思う。

全2巻で週刊少年サンデーに1972年ごろに連載された作品で途中で連載打ち切りの憂き目にあったらしく原題は「ダスト18」だったらしい。

あとがきで手塚自身も語っていますが、自分の暗黒時代で厳しい時代であったと回想しています。

この頃は梶原一騎やさいとうたかおの劇画や荒唐無稽な本宮ひろしの世界が全盛期で手塚治虫自身にとってつらい時代だったと思う。

お話の方は終末思想が世を席巻する前夜の時代であり、この作品にもその影響は感じられる。

旅客機が乱気流に巻き込まれ謎の山付近で遭難、乗員乗客全員死亡するのだがその謎の山はこの世ならざる人間界とは別次元の空間であり、ある意味悪魔とも神とも思える存在が命を自在に作り出せる魔界だったのだ。

旅客機が魔界の山に激突したお陰で山の一部が崩れ、8人の死んだ乗客の体にその欠片(石)が付着し蘇る。

だが魔界の使者は手先を使って、その石を取り返すように命じる。

手先は死んだ二人の子供の乗客(この二人もこの命の石のお陰で蘇ったので)に乗り移りまずはダスト1,2ということで二人を始末するが、残り6人をどう処置するか?試行錯誤を重ねて人間界に忍び込み目的を遂行すべく任務を果たそうとする。

ラストのマッドサイエンティストが命の石を砂状にして、巨大コンピューターを自分の死んだ妻そっくりに仕立て上げ、そのコンピューターが暴走するシーンは俺は読んだ記憶があってかなり怖い印象が蘇りました。

著者のあとがきにも触れてある通り大幅に内容を変更した部分があるそうで、確か?コレはこの全集に載せる前の内容は悲惨な結末だった様に思うが、そこは加筆して変更したのかもしれない。

よく日本は自然信仰ということで霊山とか山の神伝説なんてのがあり、未だに原生林や未開の奥地にはこの世ならざる世界やパワーが宿ると言いますが、フトそういう事を思い浮かべた名作です。

因みにこの全集、初版なんで状態のいいものならかなりの値がしますけど、再販モノか文庫本なら安く購入できると思います。
 
 
 
 
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