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今日も息をしています

風の歌を聴け

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ATG映画の「風の歌を聴け」は1981年に公開された。
 
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中学の頃かにこの装丁の文庫本を読んで、感動?って訳ではないんだが村上春樹って西宮出身の作家を気になり、続編の「1973年のピンボール」も読んだ記憶がある。
 
この人は団塊の世代でしかも俺達、西神戸出身の人間からしたら東神戸、芦屋、西宮が地元なのでお洒落でハイソな雰囲気が小説から漂う部分もあり少し憧れた節はある。
 
だがコレ以降の小説「ノルウェイの森」以降は読んだ事がない、読む気がしないのだ。
 
それは俺がこの作家に求めているモノはあくまで地元の神戸周辺物語の描写であり、1940年代に生まれた兄貴世代の感覚的憧れであって巨匠?となってからは読む気はせんわけだ。
 
映画劇中にビーチボーイズが流れるが、実際は俺の妄想だけどディランを彼氏は聴いていたと思う。
 
そうでなきゃこんな粋な小説のタイトルは思い浮かばんと思うしね。
 
キャストは小林薫に、真行寺君枝ヒカシュー巻上公一で仲間たちが集まるJ,s Barのマスターに坂田明を起用している。
 
多分?まだ劇団女優で一般化されていなかった室井滋の貧相な?ヌードも観れる映画ではある。
 
この映画を観たり、原作を読んだ人ならわかると思うがこういう映画や原作は雰囲気や匂いが大事でありあまりストーリー性を重視する向きにはお勧めはしない。
 
関係ないけど、ブルース・リーの至極の名言「考えるんじゃない!感じるんだ!!」という皮膚感覚みたいなものを要求される類である。
 
1970年代後半に東京から神戸に来た主人公の僕(小林薫)が1970年代初頭の学生時代の自分が神戸で過ごした数日を回想するって感じである意味作者の自叙伝的な意味合いがあるのかも?と思われる内容にも感じられる。
 
小指の無い謎の双子の美少女役の真行寺君枝に惚れた男も多いであろうな映画ではある。
 
神戸元町にある、俺たちもバンドで出演したこともある(5Fにミニステージがあった)YAMAHA楽器店の1Fのレコード売り場で彼女はバイトしているんだけど、俺の高校時代の憧れの君もこの街の創業が明治時代の喫茶店でバイトしていたりして、なんか久々にこの映画を再見して懐かしく感じたな。
 
又、1980年当初の神戸三宮の交差点とかが映像で出るんだけど、おお~そういやこういう感じだったなあ~、、、、と郷愁感に誘われたり。
 
ヒカシュー巻上公一が鼠(映画監督志望の無軌道な若者)を演じているんだけど怪演というか、俺はこの人当時凄い好きでした、イカレチックな雰囲気が。
 
その昔、戒厳令に近いくらい警戒された暴走族が荒れ狂い社会記事にまでなった神戸みなとまつり妨害事件などこの世代特有の暗黒面も少し描写されてあっていかがわしい部分も感じられた。
 
この原作を映画化した大森一樹の最高傑作と言いますか、俺は大森の映画でコレ以外は評価しないし、観るに値するモノは一切撮っていないと断言するカルト傑作である。
 
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