心に残る名曲第29弾 SION - 12号室
自分と共通項をどこかで感じるミュージシャンやバンドの音は琴線を揺さぶり、永遠となる。
歌とか小説とか映画とかすべての創作物で自分が一番入り込むことができるところの一つに実体験を基にしたとかリアルとか、経験者でしか言えないような事象を突きつけられるという部分がある。
もちろんサイエンスフィクション的なものも面白いけれどそれもどこか現実に起こり得ると感じさせることが大事だと自分は思う。
なかなか上手く言い表せないけれど、全部観たけど「スターウォーズシリーズ」や「ET」は駄目で、「ブレードランナー」、「エイリアン」、「インディペンディス・デイ」はOK!って感覚だ、わかる人にはわかると思う。
つまり大宇宙で分かり合えることなどなく永遠に謎と疑惑があるということ。
俺的に駄目なSFは性善説というか物わかりが良すぎる、世界中いや日本でも物わかりがわからん意志疎通ができないことが多々あるのに宇宙でそれはないということ。
だから音楽とかでも大げさに言うとあまりに空想的な夢想を歌っているのは基本、あまり好きではない、現状がこうだからこうありたい!とかしたいって夢想はいいのだけれど善人しか出てこない歌の物語にはくそおもしろくない全体主義を感じて基本駄目。
そういう意味でそういう毒にも薬にもならない現状のJ・POPの原型みたいなものが勃興しだしたころに出現したこの男の本物感には圧倒されたものだ。
こういう歌詞世界の作りはドラマーティクすぎる嫌いもあるけれどおそらく実体験に基づいた歌であるのでリスナーの心に突き刺さるのだと感じる。
初めて聴いてほんと震えた極私的邦楽の名曲。