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今日も息をしています

ホームレス理事長



ホームレス理事長ってタイトルだけでわくわくするじゃないか!

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一時期、TBSで不良少年ばかり集めてプロボクサーにさせる企画とか、TV東京系でみのもんたがエラソーに不人気店を評して、行列の出来る飲食店に生まれ変わらせるとか、やらせ満載の問題のあるドキュメンタリーが横行したがコレはマジモノ。

高校の部活で花形なのが今も昔も野球には変わりなく、強豪校ともなれば甲子園出場その後大学進学、社会人、才能のあるモノはプロに進み果てはメジャーリーガーとなり億万長者となる。

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一方で色々事情があってその花形高校野球部に入部しても退部、中退するモノも多い。

この映画の主人公の理事長はそういう元球児たちを救済するためにNPO法人ルーキーズという廃校を利用した学校教育と野球練習と対外試合を出来る学校を立ち上げる。

しかし俺はこういうのは個人的に思うのが大きな資本が必要なので、この映画のNPO法人には協賛する大企業がない限り赤字経営になるのがほとんどだと思う。

ましてこの理事長は経営感覚は0に等しく元高校野球児で教育者なんだろうが当然、設立当初から2年で1300万円の赤字になる。

当然、住んでいる住居の電気水道ガスすべて止められ、家賃滞納の為ネットカフェ生活となる。むかーし、なんチャラブリトニーってコスプレしたホームレス漫画家が居たけど、あーいう胡散臭いのではなくマジもんのホームレス教育者である。

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当然、そういう学校なんで色々な元球児が集まる。

相変わらず体育会系にありがちな陰湿ないじめをする奴や、夢破れてここに来たのに又、退学した高校と同じような馬鹿な先輩が居て同じようにいじめられ半ば自傷気味に精神を病んでいる者も居たり。

この球児をまとめて監督している人が沖縄の県立高校を40年ぶりに甲子園に出場させた辣腕を買われ岡山の高校に監督として招かれたが、そこでは行き過ぎた指導という名の暴力行為を周囲にとがめられ逮捕された経験のある人である。

まあこの人の指導方法も俺ら世代のなんというか根性論でイマドキではない、こういうやり方では野球が強くなるのははなはだ怪しいが、ある意味絶滅種のような先生や指導者を観て妙に懐かしかったな。俺らの頃はこんなんゴロゴロおったし、だから俺は体育会系の部活動なんて高校で全くする気なんぞなかったのだ。野球やりたかったけどね。



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いろんなところに借金をして資金繰りに苦しむ理事長はついにマチ金に手を出す。

こういう自転車操業をしだしたらもう大概おしまいになることが多い。

俺もむかーし小さな債務者だったからわかるけど、マチ金ではなく闇金含めて200万以上借りるでしょ、余程頑張らない限り数年では返済できない。

7年~10年はかかる、で今よくCMやってるけど俺なんか過払い請求されて倍近い金額返済した記憶あるもんね、まさに暴利をむさぼっていた時代がマチ金や闇金もあって、まあこの人も保証人が要らないヤバい系に手を出しているようだ。

でもう小口の商店主からの借り入れなども出来ない中、なんと理事長は取材している東海TVのスタッフに20万の借金を土下座して頼み込む。

このへんの描写は少し芝居がかっているように観えたがこのドラマ(後に映画化)がフジTVに放映許可が下りなかったのがこの辺かな?(全部OUTな映像ですけど)と想像したりする。

結局、元球児たちの親の代表たちとの話し合いの結果、緊縮財政を迫られているので現監督は解任、ワタシが理事長兼監督をしますと言いだし、親たちと揉める。

なんで!!あんな良い指導者をどうしてと詰められるが、この人はひたすら謝りながら前進し続ける。

当然そんな運営の中で高野連にも入れないチームなんで社会人か独立リーグ球団相手の試合がほとんどだが30点入れられて、ボクシングでいえば1試合で10回はノックダウンを喰らい、ぼろ負けな試合が続くのだが果たしてルーキーズたちや理事長はどうなるのか?といった具合だ。

これ観ててつくづく日本社会の小さな縮図があって敗者復活戦はこの国では難しいなということと団体競技の難しさを感じた。



因みに解任された監督は2013年?だかに試合応援中に脳卒中で倒れ長期の闘病生活ののちに亡くなったそうである。

俺は今、映画というエンタメを映画館(昨年シン・ゴジラは観に行く予定にしていたが体調不良で行けず)でほとんど観れなくなってしまった。

その理由のひとつにドキュメンタリー映像を超える迫力のある作り物の画がなくなったことにある。

この映画も先般の「ヤクザと憲法」同様CS放送にて視聴した。

東海TV、侮れない放送局である。