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日本のいちばん長い日



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日本の一番長い日は岡本喜八監督により東宝創立35周年記念として1967年に上映されました。

俺みたいな戦後世代が言うのもなんですが今、トランプ米国大統領が来日して浮かれている日本人にこの映画は観て頂きたい、と言ってもそういう人たちは俺のブログを覗くことは皆無だと思われるので、どうでもいいですが今一度この国の有り様を考えている方は未見、再見問わず観て頂きたい名画だ、最近リメイクされたものは観る必要はない。

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1967年と言えば日本でもTVは別としてもう映画界はカラー全盛になっているのにも関わらず、この映画はモノクロである。独立愚連隊とかで名を馳せた岡本喜八監督だからというより、コレは俺の勝手な想像ですが1945年8月15日正午、玉音放送が始まるまでのリアル感、ドキュメンタリー性を鑑みてのようには感じる。

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この映画は敵国、欧州や米国などからのまさに全面降伏を求めたポツダム宣言が発令され、それを呑んで全面無条件降伏するかどうかまさに文字通り原爆を二つ落とされたうえ、首都東京他大都市も空襲で焼け野原となったなかで、天皇や閣僚たちが御前会議を開き、玉音放送を開始させるまでの長い1日をめぐっての最後まで徹底抗戦を主張する陸軍側と、天皇及び他閣僚の決意との長い1日の闘いの記録でもある。

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陸軍大佐はこの戦(太平洋戦争)の失敗を自ら認め自決する。

が血気盛んな青年将校たちはどうにも無条件降伏は許せない、玉音放送(録音済み)を放送させまいとありとあらゆる罠を仕掛け、決死の覚悟でラジオ局まで乘りこみ放送させまじとする。

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御前会議の際に悔し泣きする閣僚達、毅然たる態度で最期は自分で責任を果たそうとする陸軍大佐、暴走する青年将校たち、どれもが俺みたいな輩でもぐっとくる描写であり、この辺は東宝特撮ゴジラなんかと同じく全員、戦前世代がキャストでありリアリティがあり、その様子がなんとも言えない説得力の画で迫る。コレは戦後世代には出せない凄みであろう。

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額にピストルを突きつけられる国営ラジオのアナウンサー、加山雄三も毅然としている。今のマスコミにこんだけの土性骨の座ったマスコミ人は居るか?ほぼ皆無だろう。国政を表向き動かしている政治家も同じく皆無だろう。

この映画のオープニングとエンディングに日本列島が大写しになるシーンに時折、実際の戦禍のむごたらしいシーンが挿入されて死者300万人、そして戦争は絶対に起こしてはいけない、日本はこの大きな過ちから又新たに変わっていかねばならないというナレーションが入るのだが文字通りうなづくしかないのである。

史実通り玉音放送は無事、放送されることとなる。

しかし今現在の日本の立ち位置やら、動きを観ていたら独立国のそれではない。

今一度、先人の犠牲を無駄にしては決してならぬ重要な局面の時代が来ているような気はしている。