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野獣死すべし



パクリ企画しりとり第3弾 映画しりとりは合計121作のノミネートがありました。



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第39弾は野獣死すべし松田優作主演)です。

1980年に公開された本作は仲代達也が主演した分(1959年版)や藤岡弘が主演した分(1974年版未見)があるが俺の見立てではそれらより大幅に作風が違うような気がする。

何が違うか?と言いますと出演者のアナキストぶりと松田、鹿賀丈史がSolidすぎて仲代版なんかとは違う感覚があるのだ。

主人公(松田優作)は銀行強盗をする表向き東大出のインテリで美女(小林麻美)に好意を寄せられるが、本人は至って冷静なクールな男である。

この映画は少し後追いでTVで観てやられた―って感じでしたね。

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松田は役作りのために奥歯上下4本抜き、減量して62kgまで落としてゲソっとした感じであるが最初、監督の村川透に激怒されたらしい?しかも身長185cmあるので足を切り落としてもう少し低くとか考えていたから、完全に気がふれています。

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正直、小林麻美って雰囲気だけじゃん?なんて思っていたけどこの映画では絶世の美女ぶりを発揮する。後にイイ女代表選手となりグラビアを飾ったりしていましたね。

この映画では鹿賀丈史の狂犬ぶりも見逃せない、この時期の映画のクライムムービーの主人公って憶測だが水谷豊にしても松田にしても鹿賀にしても根津甚八にしても皆、覚せい剤中毒的な演技してるけど、ホントにしてたんじゃないかな?と思わせるくらい強烈である。眼つきや顔つきがヤバく狂気が宿っている。鹿賀なんかは俺はその後期待した役者ですが、TVの料理選手権のレフェリーみたいになって少々ガックシ来た。

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この時代はサラ金地獄、覚せい剤中毒が社会現象として賑わせた時代でそのなんとも、今なんか以上にぎらついた銭に執着する時代でもあってバブル以前の何とも世の中全体の荒んだ空気感を切り取った映画のような気もする。

小林が撃たれるシーン、松田と鹿賀が洞窟?みたいなところでやりあうシーン、ラス前の列車での松田と室田日出夫(刑事)とのリックバンウィンクルの花嫁の話のくだりのやりとりなど今観ても古びない何かがある映画である。