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若きサムライのために   三島由紀夫

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この文庫は元々単行本として1969年4月に日本教文社から発刊されていたのを文春文庫から1996年に第1刷、写真の分は2004年第15刷の分です。
 
彼が自決する1年前に書かれたエッセイ集のような感じですがイマドキのぬるいエッセイとは違って厳しくもあり又、逆に軟弱な部分もあって結構楽しめました。
 
主に1960年代後半の若者の風潮に喝を入れている内容なんですけど、ソレは40年以上過ぎた今でも通用する箴言も多くあったりします。
 
とくに私が不思議というか面白かったのが三島氏に御子息誕生の際に彼の父が全然、嫁の入院してる処にも見舞にも行かずさして孫が誕生しても喜んでいない素振りを見せていたって事である。
 
私の父親も私が誕生しても見舞いに病院に来ずにひたすら飲んだくれていて嬉しそうにしていなかったって事実とダブるのです。
 
つまり明治生まれというかそういう古風な考えを持った男は女の領分には一切立ち入らない男子厨房に入るべからずってな精神を三島氏の父も私の父も持っていたという事である。
 
私が幼いころから母親がおまえの父ちゃんはお前が生まれた時に見舞いにも来ずに飲んだくれていたんだよって繰り事の様に聞かされていた私はいつも又その話か。。。。って耳が痛くなっていたのですがこのエピソードを読んで成程!!って妙に納得したものである。
 
まあその必死に我が子を生んだ母からしたら腹立たしかったんでしょうが、昔の男親ってのはそういう人も結構多かったんじゃないでしょうか。照れとかもあると思うんですな。
 
このエッセイのほとんどがPocket パンチOh!っていう平凡パンチの姉妹誌で月刊誌でB6位のサイズの平凡パンチより更に過激なヌードグラビアが載ってたりしてた雑誌らしいです。どんな雑誌か自分は覚えが無いので無性に欲しくなってきたけど鬼の様に高値で売ってるんだろうなあ~。。。。
 
なんかちょっと亡き父と三島由紀夫と自分が妄想チックですが繋がったりして興味深かったですね ♪