気ままに気楽に

今日も息をしています

命売ります



あなたの命はいくら?

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この小説の連載は1968年週間プレイボーイだったらしい。

掲載された雑誌が若者向けのグラビア雑誌ということもあり、あんまり三島由紀夫特有の優雅で耽美な描写は少ない、シラケ世代の一人の若者の乾いた皮膚感覚というのが垣間見える。

自殺に失敗した若い男が、広告を出して命を投げ売り、パトロンといい思いをしたりするのだが、金持ちのおっさんの陰謀絡みの殺人事件に巻き込まれるのがユーモラスに展開される。

軽いタッチながら三島がほとんどの作品で通底にある死生観みたいなものが垣間見える。

要は男娼のお話なんだが、命を賭けている処に普通の男娼とは違う処である。

俺は全然、世間の動きに疎いのでまるでしらなかったが、ここ2,3年で再評価された作品らしく、また三島文学が脚光を浴びているのは1ファンというか読者として喜ばしいことである。近頃の軽めの小説なんかも多大な影響を受けているんじゃないでしょうか?


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