気ままに気楽に

今日も息をしています

キッズ・リターン

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映画「キッズ・リターン」は1996年に劇場公開された。
 
まずはじめにこのブログを初めて閲覧する方に断っておきたいのはまあいい加減ではあるのだけれど、映画にしても音楽にしてもその他にしても発表年度を自分の場合は重要視していまして特にリアルタイムで聴いたり、観たりしたモノに関してはその時代は自分はどう息をしていたか?(生きていたか)ってのが大事であり、またそうすることで稚拙な解説をしなくて済むという自己弁護にもなっています。
 
さて?この映画なんですが俺は丁度30代で性少年どころか中年のおっさん街道まっしぐら~のレンタルビデオ店長時代で半分遊びながら仕事と遊びを満喫していた我が人生の中でも黄金期の一つであった。
 
この映画、、、、、前評判は非常に高かったけど俺自身の食い付きはあまり良くなかった。。。。。。若い店のセーガクバイト君なんかが劇場で観て感動しました!って一報を受けても劇場で観るまではいかずに後にビデオで観ただけでした。
 
観て劇場でみればよかったなあ~、、、、、って後悔した映画でもある。
 
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先日、久々にCS放送で観まして色んな発見がありました。
 
俺が何故、この映画を観に行く気になれなかったのか?一つには主役の金子賢のこの髪型にあった。
 
俺の高校時代にいや~な奴(弱い者いじめばかりする男)がこういう髪型していたからだ。
 
後に金子もこの髪型、、、、、だせ~って述懐している。
 
話の筋はいわゆる青春残酷物語だ。
 
 
 
落ちこぼれ高校生のマサル金子賢)とシンジ(安藤政信)は幼馴染で劇中では触れられていないが、成績もおそらく最低で落第何回してもしょうがないような教師から見たらどうしようもないワルガキである。
 
毎日、校内や校外でおとなしそうな高校生を捕まえてはカツアゲしてその金でラーメン屋でビールを呑み食事をするといった典型的な不良であった。
 
ある時、いつものようにカツアゲ帰りにビールと餃子を頼んだ店でやくざの兄貴分の石橋凌率いる集団に遭遇しその舎弟(寺島進)にあまりにも生意気な態度をとがめられようとするが石橋扮する兄貴が大人の態度を見せてその食事代をおごってもらい、何度かそういう事があった。
 
あるときマサルが以前にカツアゲした高校生に呼ばれ助っ人に来たプロボクサーに簡単に仕留められてしまう。
 
負けず嫌いのマサルはすぐボクシングジムに通いそのプロボクサーが所属するジムに入門、いやいやシンジもつきあわされる。
 
マサルは遂に以前路上で倒されたプロボクサーとスパーリングの機会を得るがボクシングをケンカの延長上にしか見れないマサルは相手がゴングが鳴る前ににコーナーで屈伸運動している処に飛び込み蹴りを命中させ失神させる、実際にこういう場面ってまずないだろうがココにこの少年の狂犬の様な狂気を表現させているのかな?と当時も今も観て感じた。
 
結局、マサルはボクシングのセンスがなくジムを辞め、石橋の所属する組の若手見習いになりいやいやつきあわされたシンジがカウンターを本能的に打てる能力があり、ジムの会長にも認められプロへの道を歩むようになる。
 
この映画を観て感心したのがボクシングシーンのリアル度である。
 
スパーリングや試合シーンもロープの内側のリング内で撮っており、決してロッキーではなく極私的ボクシング名画の「レイジングブル」のようにキャメラマンもリング内で動きながら?撮影している様がうかがえる。
 
監督自身が若い頃、ボクシングジムで本格的にトレーニングをした経験があるのかもしれないが試合シーンに森田健レフェリーなんかが登場したりして俺や香川照之のようなボクシングファンやマニアも納得できるしっかりした画作りと迫力、説得力があった、あくまでも映画的観点だけど。
 
マサルもシンジもいい処まで昇っていくのだが挫折する。
 
 
やがておそらく?二人は学校を卒業してまた学び舎を訪れる。
 
未だ始まってないんだ!!コレからなんだよ!!
 
この台詞はなんかぐっときましたね。
 
多分、北野武という映像作家は最初にラストシーンを考えて逆算して映像を組み立てて行くタイプなんだとこの映画を観て特に感じた。