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心に残る名曲第71弾 Bruce Springsteen - The River



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個人的スプリングスティーン最高傑作のアルバム「ザ・リバー」が発売35周年ということで膨大なアーカイヴ・BOXが出たようだ。

NEXT Dylanと言われた彼氏がそういう音楽マスコミの定形から殻を破ったのが前前作の「Born to Run」とするなら、このアルバムはより彼氏の描く音楽世界観が芳醇となり成熟した形となって世に出たと思われる。

俺の故郷は谷の町だった


そこでは若者は 父親の跡を継ぐように育てられるんだ


俺とメアリーが出会ったのは高校時代のことで


彼女はまだ17才だった


二人で谷を抜け出し


緑の野原へドライブに行ったものだった




川へ行き 飛び込んで泳いだものだ


おー 川のところまで行ったものだった




それから俺はメアリーを孕ませてしまった


彼女が書いてよこしたのはそれだけだった


俺の19歳の誕生日 


俺は労組の組合証と結婚式に着る上着を手に入れた


二人だけで役所へ行き 手続きを済ませた


結婚式の笑いも 教会での式もなく


祝福の花も ウェイディングドレスもなかった




その夜 二人で川のところへ行った


川の中へ飛び込んで泳いだ


おー 川のところまで行ったんだ




ジョンズタウン建設会社に職を得たが


近頃は不況であまり仕事がない


大切だと思われた全てのものが


みんな空しく消えてしまったようだった


俺は何も覚えていないというふりをし


メアリーはちっとも気にしていないというふりをしている




でも兄貴の車を借りて二人でドライブした時のことは覚えている


貯水池でのメアリーの日焼けして濡れた身体は素敵だった


夜 堤防で俺は目を覚まして横になっていた


彼女の息を感じるために彼女を近くに抱きよせた


今 こんな思い出がよみがえり 俺を苦しめる


呪いのように俺を苦しめる


叶えられなかった夢は偽りなのか


それとももっと悪いものなのか


俺を川に行かせるほどに


川は干上がっていると知っているけれど


俺を川に行かせるほどに悪いものなのか




川へ


あいつと俺


川のところまで俺たちは行く


某サイトでの訳詩である。

このアルバムで描かれる世界は結婚を前提とした男の心象風景が割と多い。

浮かれた浮ついた部分も散見されるけど基本、市井の人間の人生の岐路に立った時の心象風景が描かれているような気がする。

それはブルース自身が30代を目前としてもう20代のように突っ走るだけではない、人間として一人の男としてどう生きねばならないか?あがいたうえで結論を出してそれが間違いかもしれないが自分に自信をもって生きていこうと決心したようにも自分は思えたわけ。

この後、彼氏は「Born in the USA」で日本でも世界でも誰からも認知される存在になるわけだが、それ以前にこの傑作で俺の中では完成、完結されたミュージシャンであり、これ以降このアルバム以上の高いクオリティを持った作品は出ていない。

個人的には1980年代初頭に出た歴史的名盤であり、80年代に関していえばBest10アルバムには入る。

名曲揃いのアルバムの中でもこの曲は出色の曲であると言えよう。

人間の文明とは大きな川沿いから生まれたと言われるが現代においても河川敷では色々な人間模様があり川の流れのようにいくつものそれぞれの人生観が詰まっているように思うわけである。

このアルバム発表当時は俺達の中ではこの人よりジャクスン・ブラウンの方が圧倒的に認知が高いミュージシャンではあったが、コレを機に大逆転するような雰囲気はあった。

84年の全米ツアーを観に行った友人によると飛び入りでジャクスン・ブラウンが登場するLIVEがあったらしい、やはりエンタメの本場は違うと言っていた昔が懐かしい。


Bruce Springsteen - The River





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